「燃え尽き症候群」的な経験をしました(5)

燃え尽きの原因を追及する作業をしていると、今までの人生のさまざまな事が思い出されました。今までの人生、私もものすごく頑張って来ました。そして、沢山の方々に助けてもらって来ました。私には師匠が沢山います。それも、それぞれの分野で超一流の達人と呼ばれる師匠ばかりです。

 

それから、私について来てくれた社員たちがいます。家族がいます。仕事が忙しい時に、深夜おそくまで一緒に頑張ってくれた社員たちがいます。私の帰りを深夜まで待っていてくれた家族がいます。

 

そして何よりも、私の一番の専門である防災調査では、過去の災害における沢山の犠牲者に出会って来ました。無念の死を遂げた方々が沢山います。それなのに、燃え尽きがどうのこうのと言っていたら、彼らに怒られます。「ふざけんな、生きていれば何でもできるじゃないか」って、声が聞こえてきます。

 

私は今まで、自分が常にプレーヤーでした。これからもプレーヤーであり続けたいと思っています。しかし、そろそろ後輩の指導をすべき時に差し掛かったのだと思います。達人になれてないなどとクダラナイことをぼやくのではなくて、複数の分野で達人のレベルを目指せばいいだけです。そして、後輩の指導にも多くの時間をとって、私自身も後輩も、もっともっと社会の役に立てるようにして行きたいと思います。

 

志を高く設定し直さないといけない。

 

こういう一連の作業をとおして、私は立ち直ることができました。

 

今回の経験で分ったことを整理しておきます。
もしかしたら「燃え尽き症候群」なのかと思った時に有効だったのは、

 

自分の今の状態も含めて、何でも話せる学生時代の旧友と会ってバカ話をして笑ったことは、一晩限りの麻酔ではありましたが、かなりの効果がありました。

 

逃げずに原因を客観視して、自分の過去や現状を分析する作業は大変有効でした。しかし、大変辛い作業でもありました。私は初期症状の時にこの作業をしたから良かったのかもしれません。医師ではありませんので、本当にそれが良かったのかは分りませんが、私には良かった。

 

そして、過去を振り返って最もよく分ったことは、死ぬか生きるかという感覚でがむしゃらにばく進している時は、こういう状態にはならないということです。血の汗を流すくらいの努力をして、何も考える余裕もなく、その日生きていくために精いっぱいであった頃は、落込むなどとは無縁でした。

 

以上は、私の一経験談に過ぎません。

 

人によって、肉体や精神の強さも弱さも違います。私は、今までの人生において、人からよくこう言われてきました。「強いから参考にならない。事例を語ってくれても役に立たない。」

 

そうなのかもしれません。しかし、こればかりは自分ではどうすることもできません。でも、自分の体験が誰かの役に立てればいいなと真剣に考えています。

 

少数派かもしれませんが、私と同じようなタイプの人もいるはずです。そういう人にだけでも、少しでもお役に立てたら幸いです。

 

「燃え尽き症候群」的な経験をしました(1)
「燃え尽き症候群」的な経験をしました(2)
「燃え尽き症候群」的な経験をしました(3)
「燃え尽き症候群」的な経験をしました(4)
「燃え尽き症候群」的な経験をしました(追伸)

 

この記事を書いた人

たかまさ

たかまさ

1.全国各地の地理調査と現地写真
2.出張先で見つけた美味しい食べ物や隠れた名店
3.経営者から見た会社経営のいい話しや裏話
4.専門家としての防災の話し
5.家族や友人との楽しい話し

このような話題で、お役に立てれば幸いです。

詳しいプロフィールは、こちらをご覧ください。