「燃え尽き症候群」的な経験をしました(4)

沖縄のビーチにいる時も、温泉で雪見風呂をしている時も、仕事のメールが来れば楽しんで返信していた私が燃え尽きるなんて。原因は何なのか、冷静に自分を見つめてみました。

 

一言で表現すると、考える「余裕」が出来てしまったことでした。私自身は、そのように分析しています。 なんだそれ、と思うかもしれませんが、考える時間さえないくらい忙しく日々を送っていると、落ち込むなどという現象は起こらないのです。少なくとも私はそうでした。だから20年以上、落ち込んだ経験はありませんでした。

 

例えば、出張で飛行機に乗ったり新幹線に乗ったりしている時、このまま事故にでも遭って木っ端みじんになったら、それはそれで一瞬で楽になれていいじゃないかと思っていました。毎日を本気で全力で、これ以上出来ないという生き方をしていると本当にそう思うのです。いつでも覚悟が出来ている、悔いはないという感覚があります。

 

では、時間的な余裕ができたことで、具体的に何を考えてしまったのかというと、以下の3点でした。

 

まず1点目は、20年前の目標が達成されてしまったことでした。好きな仕事で会社を創り、〇〇人くらいの気の合った社員・スタッフがいて、〇〇円くらいの売上がコンスタントにあって、ある程度は社会の役に立てて、などの目標が達成されてしまったことでした。

 

2点目は、社員の皆さんの成長を感じたことでした。今までは指示しないと仕事が回らなかったのが、任せてもこなしてくれるようになったことです。こんな喜ばしいことはありませんが、子育てが終わった親の心境とでもいいましょうか。

 

そして、3点目は「達人になれてない」ということでした。燃え尽きを感じた原因の中で、これが最もショックでした。私はこれまで興味があることは何でもやってきました。そのうちのいくつかは仕事になっています。災害調査、防災研究、写真の仕事、講演、ヨガ、スポーツインストラクターや断食指導の資格、少林寺、空手、音楽、まだまだありますが、このように全く違う世界、異分野を見て、経験して、勉強して、本当に楽しかったし人生の栄養になりました。しかし達人と呼ばれるほどにはなれていないのです。この年齢になってくると、どれか一つのことだけを追求して来た人の中には、その道の達人になっている人やなりつつある人がいます。

 

自分はこれで良かったのだろうか、という思いがこの歳になってとても強く感じました。といっても、タイムマシンでもない限り過去には戻れません。

 

しくじりの連続の人からすれば、なんて贅沢な原因なのかアホらしいと思われるかもしれません。しかし、私にとってはとても辛く感じることでした。そして逆を言えば、その程度の小さな志だったということです。

 

そんな贅沢な悩み、バカらしくて聞いてられないという人もいらっしゃると思いますが、私と同じ、あるいは私に似たような人もいらっしゃるはずです。この記事はそんな人の何かのお役に立てたらと思い、私の経験を整理しました。次に、どうして元に戻れたのかを整理して終りにしたいと思います。

 

「燃え尽き症候群」的な経験をしました(1)
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「燃え尽き症候群」的な経験をしました(追伸)

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たかまさ

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