仕事は生きがい?生活のため?
彼が「無理」と言ったのは、成功するのが無理という意味ではなくて、仕事のために努力するとか苦労することが「無理」(自分には出来ないし、やりたくもない)という意味だったんですね。バカな私は当時は気づけませんでした。
彼は、「今まで携わって来た全ての仕事も、仕事は生活のためであって、仕事そのものに生きがいを感じるなんて想像もできない。これからもそれは変らないと思う。」と言っていました。そういう生き方も有りだ、ということを経営者は快く承認しなくてはいけません。
雇う前に見極める
中小企業の経営者は、応募者が少ないこともあって、ついつい妥協して雇ってしまいますが、雇う前に、その人はどんな事に生きがいを感じ、どんなことが得意で、逆に何が苦手で、何を死んでもやりたくないと思っているのかを見極めることです。お互いの幸せのために。
そして雇ったからには、その人が出来るだけ気持ち良くパフォーマンスを発揮してくれるような環境を整えることです。
やる気満々でリーダーを目指す人を社員として雇いたいのなら、そういう募集広告を出すべきだし、面接の際にしっかり見極めるべきです。与えられた仕事をコツコツとやるのが得意な人を募集する場合も然りです。
「ミスマッチ」を避けること。この見極めにあまり時間を掛けないことが多いからミスマッチを起こしてしまうし、ミスマッチを起こしてしまうと仕事以外の事に多くの時間を費やし、お互いが不幸になってしまいます。
BOSSになりたい人とBOSSを捜している人
経営者は、全ての人が自分と同じように仕事に生きがいを感じ、仕事を充実させて行くためならいかなる努力も惜しまない、と思っている人ばかりではない、ということを強く認識することです。
独立して経営者になろうとする人は、仕事が大好きで野心も強い人が多く、世の中の他の人も自分と同じであろうと捉えがちです。
だから、社員も自分と同じ場所に引き上げてあげよう、と思ってしまうのです。しかも100%善意として。社員の方は、そんなふうになりたいなんて全く思ってないのに、善意なので気づかない。そこで大きなくい違いが生じてしまいます。
世の中には、自分がBOSSになりたいのではなく、BOSSを捜している人もいます。その方が多数派です。自分がBOSSになった喜びと、自分に合ったBOSSと出会えた喜びとは、全く違うものです。
バカ社長な私は、長年かけてこのことにやっと気づけました。
追伸
「仕事が生きがい」などと何度も書いたので、私は、家庭やプライベートを疎かにしているように思った人もいるかもしれませんが、おかげさまでとっても仲の良い楽しい家庭生活を送らせてもらっています。朝ごはん、夕ごはんは家族団らんで食べていますし、毎年3回以上の家族旅行も楽しんでいます。感謝。
お役に立てたら幸いです。