私は、防災調査の他に写真の仕事をしていますので、写真の考え方や撮影方法に関する相談を受けることがあります。不定期になりますが、シリーズでお伝えして参ります。また、最近はスマートフォンで撮影することが多いので、-スマートフォン写真術-としていますが、一眼レフでも、ミラーレスでも基本は同じです。
写真は、撮影者の感動(心が動く)がなければ観る人に伝わらない、いわば撮影者と鑑賞者の共鳴の芸術であると、私は考えています。
同じ風景を見ても、その風景の何に感動したのかは人によって違います。千人いれば千通りの感動があります。それぞれの人生観で感動する度合いや対象が異なります。その時の感動(自分の心の動き)を一瞬のシャッターで表現することが、写真で自己表現をする撮影者に求められる能力です。
カメラの扱いに慣れる(自分の手足にする)ことも大切なことの一つですが、それは一番重要なことではありません。絞りやシャッタースピードは、「感動」を表現するための「道具」にすぎないということを忘れてはいけません。
「湘南夕景」
真紅の夕陽、白く延びる飛行機雲、天空に迫る夜、江ノ島を中心に発するこのグラデーション。広角レンズでパンフォーカス(近景から遠景まで全面ピント)。露出は、江ノ島灯台の少し上くらいで。しかし、よほどアンダーやオーバーでなければ、後で補正ができます。特に夕景は刻々と変化してしまいますから細かい事まで気にしないで沢山撮ることです。
お役に立てたら幸いです。